年齢と共に健康診断に自信がなくなる人が多い
ナイスミドルかウザイおやじかの分岐点になるのが男性の40代です。
そんな世代の加齢意識について、ある調査結果があります。
それには、40代有職男性の多くが自分自身を「実年齢より若い」と評価しているのです。
その割合は、見た目年齢が61.4%、体力年齢が42.1%、気持ち年齢ではなんと77.2%に上っているのです。
実年齢と自己評価の差の平均は、見た目がマイナス5.5歳、体力が同7.5歳、気持ちは同10.2歳となっています。
6割以上が「見た目の老化」に抗い、「かっこよく年をとりたい」と感じているようですね。
いっぽうで、「老化を感じない」自信満々の人はわずか4%となっています。
回答者の実に96%が自分自身の老化を実感しているのが現実なのです。
気になる老化のサインは「白髪が増えた」「お腹が出てきた」「老眼」がトップ3となっています。
体力の低下や薄毛・抜け毛を自覚している人も多くなっています。
むしろ、薄毛や体力のほうが上位に来てもおかしくないような気がしますね。
「実年齢よりも若い」と自負していながらも、体のあちこちに出てくる加齢の現実です。
こういったところと、健康面はリンクしているようにも思えます。
多くの人が実年齢もよりも若いと思いながら健康に不安を感じているのです。
ですから、毎年の健康診断も不安になってくるのでしょうね。
注意してみるべき項目
現在「CRP」という数値が注目されています。
健康長寿の秘けつは「慢性炎症」にあり、ということが言われているのです。
最近の研究では痛みも熱もないような弱い炎症でも、慢性的に長く続くことで血管や臓器の細胞を傷つけることがわかっています。
また、動脈硬化やがんなどを引き起こす可能性があるということもわかってきたのです。
この「慢性炎症」が起きる原因というのは、加齢や生活習慣など様々です。
そして、いつまでも健康で長生きするために、これを引き起こさないことが重要とのことです。
肝臓で作られるたんぱく質である「CRP」が高い場合では、「感染・炎症・組織障害」が考えられます。
この数値だけでも、体に何らかの異変が起きていることがわかるのです。
現在、健康診断では5割程度、人間ドックでは検査項目にあるようです。
メタボが分かる項目
腹囲の測定で、内臓周りの脂肪量を予測できるといわれています。
内臓脂肪が多い状態、つまり内臓肥満の人は心筋梗塞などの原因となる動脈硬化を進行する要因になると考えられています。
2008年4月より始まった「特定健診・特定保健指導」では、腹囲の測定は「へそ周り」を頂点として行われています。
男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上になると「内臓脂肪過多」と判定されます。
つまり腹囲の大きさは内臓脂肪の多さを反映していると考えられているのです。
この検診が始まった背景に、高度経済成長以降の日本の食生活が豊かになって欧米化が進んだことによる生活習慣病の増加があります。
現在では、通称「メタボ健診」ともいわれる特定健診です。
この特定健診によって「健康な人でもメタボと判定されてしまう」「基準値以下でもメタボの可能性のある人が見落とされる」などといった多くの批判がありました。
そのため厚生労働省は現行の基準を見直して、2018年から新基準を導入することを決定しています。
誤解されているのですが、単に腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上だけではメタボリックシンドロームとは診断されません。
厚生労働省によると、メタボリックシンドロームの診断には以下に挙げる条件を満たしている必要があるとしています。
必須項目
ウエスト周囲径(腹囲)が男性85cm以上・女性90cm以上
上の必須項目に加えて、以下の条件のうち2つを満たしていること
・高トリグリセリド血症、かつ/または低HDLコレステロール血症
・収縮期(最大)血圧が130mmHg以上、かつ/または拡張期(最小)血圧が85mmHg以上
・空腹時高血糖値が110mg/dl以上
本来、メタボの診断には精密なCTスキャンが必要です。
実際にはそうした検査を逐次行うのは難しいので、より簡易にスクリーニング(ふるい分け)できる指標として男性85cm以上・女性90cm以上という基準が設定されているのです。
即病院を受診する?それとも食生活と生活習慣の改善?
メタボの改善には、食生活を見直して日常生活に運動を取入れることが大切です。
一日三食をバランスよく食べ、特に野菜をきっちり食べることが大切です。
毎食満腹になるまで食べるのはよくありません。
腹八分目の手前程度で留めておきましょう。
そして、主食・副菜・主菜を一食の中できちんと取るようにしましょう。
例えばラーメンを食べる場合でも野菜が多く入っているタンメンを選ぶことが大切ですし、カレーを食べる場合にもサラダを付け加えたりするのが効果的です。
そして、ジョギングやウォーキングなどの適度な運動を効果的に日常生活に取入れるようにしましょう。
エレベーターを利用せずに階段を利用するなど、日常生活の何気ない場面でも運動を取入れることができます。
運動をして筋肉量が増えると基礎代謝が高まります。
より運動効率が上がって太りにくい身体になるのです。
会社の健康診断だけで完璧?
人間ドックと健康診断の一番の違いはなんでしょうか。
それは、人間ドックは自分の意志で受けるものであるのに対して、健康診断は法律で義務付けられているものです。
そして、人間ドックと健康診断では検査をする項目の数に大きな違いがあるのです。
より細かく検査をしたい場合には検査項目が多く用意されている人間ドックを、義務付けられた項目だけで良ければ健康診断を受診するようにしましょう。
もう少し具体的に人間ドックと健康診断の違いを見ていきましょう。
人間ドックとは
基本的な測定だけではなく、多くの臓器を対象に詳しく検査するのが人間ドックです。
たくさんの項目が用意されているので、自分の目的や気になる部分を集中的に検査できるのが特徴です。
生活習慣病に関わる項目を中心に調べる基礎ドック(基本ドックとも言います)と特定の疾患、特に生命にかかわるような重大な疾病に関するものを積極的に検査する専門ドックがあります。
専門ドックで代表的なものには、各種のがんドックです。
結果の説明
検査の結果は後日、郵送されてくることが多いのですが、医師から当日の検査結果についての簡単な説明を受けることができる医療機関もあります。
健康診断も当然受けなければいけませんが、年に一度は人間ドックも受けるようにしたいものですね。
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